
杉並の風
このページは、杉並三田会会員の学び、気づき、体験を通した思い思いのエッセイ等を掲載するページです。
バグパイプとわたし
荒川晶夫(R4文)
杉並三田会の忘年懇親会は、160名余の皆様が集まられて、感動と興奮を残し散会しました。バグパイプはScotland The Braveで入場されて、慶應ゆかりのメドレーで最高潮になりました。
私自身は、それとは別の感慨にふける機会となり、涙ぐんで演奏を拝聴しました。
今からちょうど20年前の2006年11月末に、二度目の渡英でエジンバラに行く機会に恵まれました。英国政府のスコットランド庁が、地方自治体と合体してスコットランド地方自治政府が始まった時期になるようです。ロンドンを夕方発ち、日付が変わる少し前に真っ暗なエジンバラに降り立ちました。
そして、日本人として初めてAudit Scotlandを訪ねました。東洋人としては、同年夏に来訪されていた韓国に次ぎ二番目だったそうです。自治政府ができて間もないことも手伝ってか、スコットランド政府の方々はとても緊張した面持ちで、場に臨まれていました。
そこで、最初の雑談で「日本では、バグパイプのCDがなかなか手に入らないです」と話題を振りました。先方はいきなりのバグパイプの話題に??・・・でした。そして、「なぜバグパイプに興味を持ったのですか?」と尋ねられたので、Scotland The Braveのさわりをハミングで披露しました。(実はこの曲は、映画「史上最大の作戦」でスコットランド連隊が橋を渡る場面で流れていました。これを覚えていて、スコットランド来訪が決まった渡英前に、吉祥寺や新宿のCDショップで探しましたが、「バグパイプのCD?・・ありませんねぇ-」と言われていました)
すると、一同は顔を見合わせて、「なぜ日本から初めてやってきた人が、我々の国歌を覚えているのか!」と驚かれました。そうです。この曲は、彼らスコットランド人にとって国歌なのです。彼らの顔から一気に緊張の色が消えて、何か特別に近しい場に変じました。このような思わぬ感激の渦に皆一気に打ち解けて、スコットランドの方々が口々にあれを説明したら?!これを話したら?と歓談の輪が広がって本題を忘れるぐらいでした。
今回、吉祥寺でバグパイプのScotland The Braveを聴き、この時の感動が瞬時によみがえってきて涙腺を緩くしてしまいました。エジンバラ駅隣のHaymarket駅周辺、ロンドン同様の二階建てバス、城に通じるロイヤルマイルと路地の石畳、そして、The Scotch Whisky Experienceで飲んだ日本では見かけない古酒のラフロイグ・・・と瞬時に思い出が駆け巡りました。ちなみに、会場で呈されたウイスキーはアイラモルトのラガブーリンをキーモルトにした(「英語を楽しみながら学ぶ会」で教えて頂いたばかりです)ホワイトホースでした。個人的にはすっかりスコットランドに囲まれたひとときとなりました。
思いがけずこのような機会に出会わせて頂くことができました。杉並三田会ご担当はじめ皆様に、心から感謝いたします。

